脳はすぐ忘れちゃう – だからこそ願望実現が難しい理由
なぜ私たちは決意を忘れてしまうのか?
「今度こそ絶対に夢を叶える!変わる!」と強く決意したのに、数日後にはその熱意が冷めてしまう。「毎日これをしよう!」と決めたのに、気づけば1週間も忘れている。
このような経験は誰にでもあるでしょう。実は、これは意志力の問題ではありません。脳の仕組み上、避けられない現象なのです。
脳が忘れる3つの理由
1. 情報の洪水による「選択的注意」
現代社会では、1日に処理する情報量が膨大です。脳は生存に関わる情報を優先し、それ以外の情報は自動的にフィルタリングしてしまいます。
朝「今日は感謝の気持ちで過ごそう」と決意したのに、
スマホを見たり、目の前にある用事を済ませていると気づけば感謝のことは完全に忘れている。
このように、自分にとって大切だと脳が認識していないとすぐに忘れます。
2. 「エビングハウスの忘却曲線」
ドイツの心理学者エビングハウスが発見した法則によると
- 20分後:42%を忘れる
- 1時間後:56%を忘れる
- 1日後:74%を忘れる
- 1週間後:77%を忘れる
- 1ヶ月後:79%を忘れる
つまり、一度学んだことでも、復習しなければほとんど忘れてしまうのです。
3. 「現状維持バイアス」
脳は変化を避け、現状を維持しようとします。新しい習慣や考え方は「異物」として認識され、元の状態に戻そうとする力が働きます。
願望実現において「忘れる」ことが致命的な理由
継続こそが最大の力
願望実現において最も重要なのは「継続」です。しかし、脳が忘れやすいという特性により
- 理想の自分のイメージが薄れる
- ネガティブ思考に戻ってしまう
- モチベーションが維持できない
「忘れる」→「諦める」の悪循環
- 願望実現の方法を学ぶ(やる気MAX)
- 数日間は実践する
- 忙しさで忘れる
- 思い出すが「もう遅い」と感じる
- 「どうせ私には無理」と諦める
この悪循環により、多くの人が願望実現を断念してしまいます。

脳の特性を活かした「忘れない」仕組み作り
「思い出すトリガー」を仕込む
脳は関連する情報に触れると記憶を呼び起こします。日常生活の中に「思い出すきっかけ」を意図的に配置しましょう。
具体的な方法
- スマホの待ち受けを理想の生活の画像にする
- 手帳やノートの表紙に目標を書いて毎日見る
- よく使うものに願望を書いたシールを貼る
このように、忘れない為に毎日自分の願望、目標は何かを見るようにしましょう。
「ルーティン化」で自動操縦モードを活用
脳は繰り返される行動を自動化します。この機能を使って、願望実現の行動を習慣化。日常のルーティンに組み込みましょう。
- 朝起きたらノートを見返す
- 歯磨き中は思い出す時間にする
- 寝る前にイメージする
毎日する行動に、これをしてる時に思い出すなどとして
生活の1部にしていきましょう。
「分散学習」で記憶を定着させる
一度に長時間学習するより、短時間の学習を繰り返す方が記憶に定着します。
「感情」と結びつけて記憶を強化する
感情を伴った記憶は長期間保持されます。願望実現の取り組みに感情を組み合わせましょう。
- 願望が叶った時の感情を味わいながらイメージング
- 成功体験を大げさに祝う
- 仲間と喜びを分かち合う
- 音楽や香りなど五感を使った記憶作り
「忘れても大丈夫」なマインドセット
手放す
「毎日欠かさず続けなければいけない」という思い込みが、挫折の原因になります。忘れることは人間として自然なことです。忘れるからだめより、忘れちゃうからねっと気持ちを軽く持ち、いらないものを手放していきましょう。
「気づいたら再開」の精神
忘れていたことに気づいたら、自分を責めずにその瞬間から再開しましょう。継続の秘訣は「中断しても必ず戻ること」です。
進歩を可視化する
小さな変化でも記録に残しましょう。進歩が見えると、モチベーションの維持につながります。何か進歩があった時、すごいねって自分を褒めてあげましょう。
脳科学に基づいた記憶強化テクニック
1. 寝る前の復習
睡眠中に記憶の整理と定着が行われます。寝る前に願望や目標を思い浮かべることで、潜在意識への刷り込み効果が期待できます。
2. 人に話す
他人に説明することで、記憶がより鮮明になります。願望や目標を信頼できる人に話してみましょう。
3. 五感を使った記憶法
視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を組み合わせることで、記憶がより強固になります。
- 理想の生活の写真を見ながら(視覚)
- 好きな音楽を聴きながら(聴覚)
- アロマを焚いて(嗅覚)
- 願望実現をイメージする
忘れやすい脳を味方につける3つのコツ
コツ1:「量より質」を重視する
毎日長時間取り組むより、短時間でも集中して行う方が効果的です。5分間の集中して取り組むと、30分間の散漫な取り組みより価値があります。
コツ2:「楽しさ」を最優先にする
楽しいことは忘れにくく、続けやすいものです。願望実現の取り組みを「楽しい時間」にするアイデアを考えてみたり、楽しく心がワクワクする選択をしていきましょう。
コツ3:「システム化」する
記憶に頼らず、仕組みで解決することを考えましょう。リマインダー機能やアプリ、仲間とのチェック体制など、外部のサポートを積極的に活用しましょう。
まとめ:脳の特性を理解して願望実現を加速する
「脳はすぐ忘れちゃう」というのは、人間として当然のことです。この特性を責めるのではなく、理解して上手に付き合うことが願望実現の鍵となります。
忘れることを前提とした仕組み作り、感情を活用した記憶の定着、そして「忘れても大丈夫」という心の余裕。これらを意識することで、脳の特性を味方につけながら理想の未来を創造していけるでしょう。
今日から、あなたも「忘れやすい脳」との上手な付き合い方を実践してみてくださいね。
忘れても、また思い出せばいい。その繰り返しが、やがて大きな変化を生み出すのです。

