何が足りない?これが食べたくなるのは栄養不足
その食欲、栄養不足のサインかも
無性にチョコレートが食べたい。ポテトチップスが止まらない。甘いものばかり欲しくなる。揚げ物が食べたくてたまらない。
そんな「無性に食べたい」という衝動、実は体からのSOSかもしれません。
特定のものが食べたくなるとき、それは体が「この栄養が足りていないよ」と教えてくれているサインです。
体は正直
体は賢い。必要な栄養が足りないと、それを補える食べ物を欲しがります。
でも、現代の食生活では、体が本当に欲しいものと、実際に食べているものがズレていることが多いのです。
甘いものが欲しいのは、実は甘いものが必要なのではなく、別の栄養が足りていないサイン。揚げ物が食べたいのは、油が必要なのではなく、別の栄養不足かもしれません。
体の声を、正しく聞き取ることが大切です。
これが食べたくなったら、この栄養が足りない
チョコレートが無性に食べたい
足りない栄養:マグネシウム
チョコレートにはマグネシウムが含まれているため、マグネシウム不足の体は本能的にチョコレートを求めます。
マグネシウムは、ストレスで大量に消費されます。疲れているとき、ストレスが多いとき、チョコレートが食べたくなるのはそのためです。
代わりに食べるといいもの: ナッツ(アーモンド、カシューナッツ)、バナナ、ほうれん草、アボカド、海藻、豆類
甘いものが止まらない
足りない栄養:タンパク質、クロム、炭水化物(質の良い)
甘いものが欲しくなるのは、血糖値が不安定な証拠。朝食を抜いたり、タンパク質が足りていないと、血糖値が乱れ、甘いものを欲します。
また、クロム不足も甘いものへの渇望を引き起こします。
代わりに食べるといいもの: 卵、肉、魚、ナッツ、さつまいも、玄米、ブロッコリー、キノコ類
ポテトチップスなど塩辛いものが食べたい
足りない栄養:ミネラル(ナトリウム、カリウム)
塩辛いものが欲しいのは、ミネラルバランスが崩れているサイン。特に、ストレスや疲労で副腎が疲れていると、塩分を欲します。
代わりに食べるといいもの: 海藻、魚、味噌汁、梅干し、バナナ、アボカド、ほうれん草
氷をバリバリ食べたくなる
足りない栄養:鉄分
氷を食べたくなるのは、鉄欠乏性貧血の可能性があります。特に女性に多い症状です。
代わりに食べるといいもの: 赤身の肉、レバー、ほうれん草、小松菜、あさり、納豆、卵
パンやパスタなど炭水化物ばかり食べたい
足りない栄養:セロトニン(幸せホルモン)の材料となるトリプトファン
炭水化物は一時的にセロトニンを増やします。気分が落ち込んでいるとき、炭水化物ばかり食べたくなるのはそのためです。
代わりに食べるといいもの: バナナ、ナッツ、大豆製品、卵、チーズ、魚(サーモン、マグロ)
揚げ物や脂っこいものが食べたい
足りない栄養:必須脂肪酸(オメガ3)
体は良質な脂質を求めているのに、間違えて悪い脂質を欲してしまうことがあります。
代わりに食べるといいもの: 青魚(サバ、イワシ、サンマ)、ナッツ、アボカド、オリーブオイル、亜麻仁油
炭酸飲料が飲みたい
足りない栄養:カルシウム
炭酸飲料の爽快感を求めているとき、実はカルシウム不足のことがあります。
代わりに飲む・食べるといいもの: 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、豆腐、小松菜、炭酸水(無糖)
コーヒーが何杯も飲みたい
足りない栄養:鉄分、休息
カフェインで無理やり目を覚まそうとしているとき、本当は休息が必要です。また、鉄分不足で疲れやすくなっている可能性も。
代わりに飲む・食べるといいもの: 水、ハーブティー、鉄分豊富な食材、そして休息
肉が無性に食べたい
足りない栄養:タンパク質、鉄分、亜鉛、ビタミンB12
これは体が正しく栄養を求めているサイン。素直に、質の良い肉を食べましょう。
食べるといいもの: 赤身の肉、鶏肉、魚、卵、大豆製品
栄養不足になる原因
偏った食事
同じものばかり食べていると、特定の栄養素が不足します。パンとコーヒーだけの朝食、おにぎりだけの昼食では、タンパク質やビタミン、ミネラルが足りません。
加工食品が多い
コンビニ食、インスタント食品、お菓子。加工食品は、カロリーは高いけれど栄養価が低い。お腹はいっぱいになっても、栄養は足りていません。
ストレス
ストレスは、栄養を大量に消費します。特に、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンCが失われます。
睡眠不足
睡眠不足は、食欲を増進させるホルモンを増やし、満腹感を感じるホルモンを減らします。そして、判断力が鈍り、栄養バランスの悪い食事を選びがちになります。
ダイエット
極端な食事制限は、必要な栄養まで削ってしまいます。すると、体は飢餓状態と判断し、甘いものや脂っこいものを強烈に欲するようになります。
栄養を満たす食事の基本
バランスよく食べる
一汁三菜を基本に。主食(ご飯、パン)、主菜(肉、魚、卵、大豆)、副菜(野菜、海藻、キノコ)、汁物。これで、多くの栄養素をカバーできます。
タンパク質を毎食摂る
タンパク質は、満腹感を持続させ、血糖値を安定させます。朝食から、しっかりタンパク質を摂りましょう。卵、納豆、ヨーグルト、チーズなど。
色とりどりの野菜を食べる
野菜の色は、栄養の色。赤、黄、緑、紫、白。いろいろな色の野菜を食べることで、さまざまなビタミンやミネラルが摂れます。
良質な脂質を摂る
脂質は悪者ではありません。ナッツ、アボカド、青魚、オリーブオイル。良質な脂質は、脳の働きや細胞の健康に必要です。
水をしっかり飲む
喉の渇きを空腹と勘違いすることがあります。一日1.5〜2リットルの水を、こまめに飲みましょう。
食事を抜かない
特に朝食は大切。朝食を抜くと、血糖値が乱れ、昼や夜にドカ食いしやすくなります。
「食べたい」の裏にあるもの
栄養不足だけでなく、心の問題もあります。
ストレスで甘いものが食べたい。寂しくてお菓子が止まらない。退屈だから食べてしまう。
そんなときは、「食欲が止まらない時の見直し」を参考に、心の空腹にも目を向けてみてください。体の栄養と、心の栄養。両方を満たすことが、本当の満足につながります。
サプリメントより、食事から
栄養不足を感じると、サプリメントに頼りたくなります。でも、栄養は食事から摂るのが基本です。
食事には、まだ発見されていない栄養素や、栄養同士の相乗効果があります。そして、食べることそのものが、心を満たしてくれます。
サプリメントは補助として使い、基本は食事で栄養を摂りましょう。
今日からできること
食事の管理
3日間、何を食べたか意識してみましょう。足りない栄養素が見えてきます。
朝食にタンパク質
明日の朝食に、卵や納豆をプラス。それだけで、一日の食欲が安定します。
おやつをナッツに
お菓子をナッツに変えてみましょう。満足感があり、栄養も摂れます。
色を意識する
今日の食事に、何色の野菜が入っていましたか?明日は、もう一色増やしてみましょう。
体の声を聞く
「これが食べたい」という衝動は、体からのメッセージです。
そのメッセージを、正しく受け取りましょう。
チョコレートが食べたいなら、「マグネシウムが足りないんだな」と気づく。そして、ナッツやバナナを選ぶ。体の声を聞き、本当に必要な栄養を与える。それが、体を大切にすることです。

